みなさん、こんにちは!カウンセリングサービスの大西三千男です。いつもありがとうございます。
最近、松下幸之助さんのことを書いてある本を読みました。「運命をひらく〜生き方上手松下幸之助の教え」という本田健さんの書かれた本です。
ご存知でしょうか?松下幸之助さん。パナソニックという世界的電機メーカーの創業者です。2008年に現社名に変更するまでは松下電器産業と言っていました。
創業当時は、幸之助さんと奥さん、そして奥さんの弟のたった3人。まさにゼロからの出発で、いまや従業員数30万人に迫ろうかという世界的企業に育て上げたわけです。
幸之助さんは成功の秘訣を聞かれて、三つの要因をあげておられます。
家が貧乏だった。
体が弱かった。
学歴がなく頭が悪かった。
みなさんが、こんな境遇であればいかがでしょうか?この三つは成功の秘訣というより、成功できない理由にあげられることの方が多いのではないかと思います。
それを幸之助さんはこのように言われるのです。家が貧乏だったおかげで、子供の頃から商売に触れることができ、商売のノウハウを身に付けることができた。体が弱かったおかげで、自分ではできない時があるので、周りの人に任せようと思った。学歴がなかったからいろんな人に教えを請うことができた。世間一般にみれば成功できない要因を、成功の秘訣にかえられたのです。
ぼくはこの本を読んで、幸之助さんの成功の本当の秘訣は、幸之助さんが周りの人に与えたものが返ってきたからではないかと感じています。
幸之助さんは、自分より遥かに年下の若い社員に対しても教えを乞うと言う姿勢で話を聞いています。
幸之助さんと接した人は、大切にされていると感じたのではないかと思います。
こんなエピソードが紹介してあります。
秘書をつれて工場建設場所を随行の現地社員と視察したとき。お昼を過ぎていて、幸之助さんが「天気もええし、海岸で食べよう。きのう、わしな、お寿司やで握りを作っておいてもろたんや。」とゴザを広げてもってきたお弁当を秘書が配ろうとすると、
「紐で印してあるやろ、そっちは関東味で君らの分や」と現地社員との社員に渡して、「こっちは関西味やからわしらの分や」と味の違いにまで気を配ったのです。これが、お得意先のお偉いさん方ならわかるのですが、同じ会社の人間に対してなんですね。ここまで気を配ってもらったら、感動しないわけがないと思います。
このようなエピソードがいくらでも幸之助さんの周りの人から寄せられているのです。やろうと思ってやっていたのでは、ここまで感動してもらうようなことはできないのではないでしょうか。自然とそれが、周りの人すべての人にできているというのが驚きです。
このように幸之助さんがやったことは、相手に良く思われようとか、機嫌を取ろうとかそういう打算があってやられたことではないのではないかと思います。ただ、相手を思いやる心、真心、誠心誠意、この思いだけでされたことだから、相手の人の心を打つのではないかと思います。
された方は、ここまでしてくれたのかという思いが出てくると思います。それは、想像以上のことをされたから余計に心に響いたのではないかと思います。
その結果、接する人みんなが幸之助さんのファンとなっていったと思います。この人と一緒に仕事がしたい。この人のために仕事がしたい。この人についていったらどんな困難も切り抜けられるに違いないし、この人とだったら切り抜けることができる。この人の作る製品を買いたい、同じならこの人から買ってあげたい。
接する人がみんなこう思ったらどうなるでしょうか?自分のために頑張ることは知れていますが、人のために頑張る、それもこの人を喜ばせたいと思って頑張るときは、想像以上の力がでるものです。幸之助さんが、周りに与えれば与えるほど、それ以上のものを返してあげたとみんなが思ったのではないでしょうか?
幸之助さんのすごいところは、この与えるということが、自然に、なんの気負いもなくできたことかもしれません。ぼくたちは、ここまではできないかもしれないけれど、少しでも近づければいいですね。そのために自分の素直な心をもう少し見つめてもいいのかもしれません。自分が大きな愛ある存在と思った時に、こんなことをしてあげたい、こんな言葉を贈ってあげたい、こんな眼差しで見つめてあげたい。それを素直に表現できれば、少しだけ、幸之助さんに近づけるかもしれません。
きょうも、お読みいただきありがとうございます。
みなさまのしあわせをお祈りしています。